インドと中国の金自由化インパクト - 16 June 2011
初心者にも分りやすい金のブログとして、ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表豊島逸夫氏にも推薦されている、「はじめての金読本」において、先週に続き、新興国の代表であるインドと中国の金市場の現状が解説されています。

今週も先週に引き続きインドと中国についてお話しします。本年第1四半期の金需要動向を見ても分かるとおり、いまや世界の金需要はインドと中国の二カ国によって支えられていると言っても過言ではありません。本年の鉱山生産量は2700~2800トンと予想されますが、両国の需要だけで8割方を吸収することになるでしょう。そのインパクトはけっして小さなものではありません。
ここで少し両国のこれまでの足跡を振り返ってみましょう。インドは21年前の1990年に金自由化に踏み切りました。当時の同国の金需要は年間200トン程度のものでしたが、現在では1100トンの水準にまで拡大しています。一方の中国は、2001年の世界貿易機構加盟をきっかけに、金自由化計画を策定し、段階的に実施してきました。そして、昨年ようやく、中国国内の四大商業銀行が金取引のインフラ整備に本格的に乗り出すところとなり、庶民が金地金を自由に売買できるようになったばかりです。
まさに、中国の金市場はこれから本格的に成長していく段階。それにもかかわらず、まだほんの序の口だというのに、金需要は、年間換算ですでに1000トン近い水準にあります。これからも、ブラックホールのように、海外から金を輸入してさらにがつがつと飲み込んでいくことになるでしょう。向こう5年で倍増しても不思議ではありませんし、世界の金市場で需給が逼迫する事態も起こり得ることです。
ただし、両国の存在はますます大きなものになるでしょうが、その反面、両国への依存度が高くなればなるほど、同時に両国の政治的経済的なリスクが、将来、金市場の需給バランスにとって大きなリスク要因になりかねない、そういう面があることも頭に入れておく必要はあります。この点については、すでに読者から質問が届いていますので、近いうちに取り上げようと思います。
と、ここまでお話ししてきて、「金の自由化」とは何か、少し説明が必要だったなと気づきました。いつか、くわしく紹介する機会もあろうかとは思いますが、まずは「Q&A:イザという時に金は換金できますか?」を、もう一度お読みいただければ幸いです。
では、また、金曜日にお会いしましょう。
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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。








