インフレと金の関係は? - 4 April 2011

初心者にも分りやすい金のブログとして、ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表豊島逸夫氏にも推薦されている、「はじめての金読本」において、金価格とインフレの関連性について解説がされています。

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金価格は、今週、1420~1440ドルのレンジでの動きに。あらためて過去数年のチャートを眺めてみると、乱高下を繰り返しながら着実に下値を切り上げており、現在は1400ドルの水準を固めつつある段階といえそうです。

さて、今回は、先週の予告のとおり、インフレと金について。まず、インフレには、大別して二種類あります。一つはモノの需給バランスが長期的に崩れるケースで、旺盛な需要が長期にわたって続くことでも起きますし、その反対に、供給が長期的に不足することでも起きます。

世界の人口は、現在、毎年8000万人ずつ増加しています。インド中国ブラジルなど新興国は高い経済成長を続け、民間の生活レベルも少しずつ上昇しています。食糧資源、天然資源に対する需要は拡大を続けていますが、供給には限りがありますから、長期的に見ると、モノ不足型のインフレが進むと見ておくのが順当でしょう。というよりすでに食品を中心に物価は上昇しており、それが中東民主化運動の背中を押したとも言われています。

もう一つのインフレは通貨供給量が増加することで生じます。なかでも重要になるのが基軸通貨ドルの動向ですが、2008年のリーマンショック前のドル供給量は8750億ドル、それが2011年3月には2兆4200億ドルに膨らんでいます。即座にモノの値段が3倍になるわけではないでしょうが、ドルの価値が薄まっていることは否定できない事実でしょう。お金の価値が下がれば、モノの値段が上がるのが道理です。

ここで、主要各国の物価上昇率を見てみましょう。

  2009年 2010年 2011年2月
米国 -0.4% 1.6% 2.1%
英国 2.2% 3.3% 4.0%
EU 1.0% 2.1% 2.8%
ロシア 6.8% 9.6%  -
中国 -0.7% 3.3% 4.9%
韓国 2.8% 2.9% 4.5%
インド 12.4% 12.4% 6.0%
ブラジル 4.9% 4.9% 6.0%
日本 -1.4% -0.7% 0.0%

 

金は限りある天然資源であると同時に通貨でもあります。中東をめぐる情勢、欧米先進国の金融・財政不安に比べて、新興国を中心としたインフレに派手さはありませんが、新興国欧州→米国→日本という順番でゆっくり物価が上昇しつつあるのが見て取れます。

これまでにも金読本では何度もお話ししてきましたが、金はインフレに対する保険としての一面を持っています。とくに長期的なインフレ懸念に対して金は反応します。

こうしたことをあらためて認識しておいてください。ただし、長期的な物価上昇は、中東に限らず、どこの国や地域においてもセンシティブな問題です。金利が跳ね上がっていくと金は売られやすくなりますので、まだまだ先のことでしょうが、留意しておきましょう。

(参考)

ドル金利は金のライバルなのか

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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。