インフレに強い、デフレのヘッジとして使える金について - 24 May 2010

資産価格のデフレが続く中、インフレに強い金は....

その経済価値が、工業目的ではないがために、富を貯える目的以外にはあまり実用的ではないものといえるでしょう。しかし、投資家が最も必要とする、資産価格のデフレが起きている際には、金はインフレに強い貨幣の役割を果たします。

今日の世界における資産のデフレの脅威に直面する際、少なくとも人々は金の購入をしています。そうでなければ、ドイツにおいて、通常5%以上のマージンが付加されてある金貨及び小規模の金地金が店頭から消えてしまったことへの説明がつきません。1930年の大恐慌の際も、金の安全に配送及び秘蔵保管ができ、このような状況下に上昇する購買力は証明されました。

あらゆるレベルの金融危機への中央銀行の一環した対応からも、この金の特性は独特で魅力的なものがあります。 ゼロレートの金利下で、しかも通貨の切り下げの脅威にさらされる中、通貨を秘蔵する人々を除外し、貯蓄者は眠れない夜を過ごさざるを得なくなっています。銀行破綻のリスクは、政府による金融政策によるリスクの上に、さらに存在しています。

そのため、余剰の資金がある場合、金がドルよりも効果的であることは明らかです。それは、金が本質的にインフレに陥ること、破壊されることが不可能であるためです。そして、過去5000年に渡り、人々が安全に資産を保管する手段として利用されてきたという歴史があります。

今月起きた市場の暴落により、全ての投資商品を世界的に米国ドルに変えるという動きが起こり、過去最高値となっていたドル建て金価格を6%押し下げたことは記憶に新しいことでしょう。しかし、他の貴金属資産と比べると、金の価値は維持されたことに気がつくことでしょう。原油価格は20%下げ、プラチナは15%下げました。豪ドルは、米国連邦準備銀行より450ベーシスポイント高い金利を提供しているにもかかわらず、10%下げました。

この市場の暴落が継続した場合、現物の金への需要は、リーマン・ショックの時のように、他のどのようなリスクの高い資産よりも早く、金価格は底値を見つることとなることでしょう。

金融危機下では、現物金保管の需要は、他の貴金属とは異なり増大します。この需要には、銀のそれとは比べ物になりません。それは、世界の富裕層は、十分な流動性を保つ金の専門市場と、その銀に比べ少ない保管料を好むためです。

実際、予測不可能な事態の際の価格動向などから、貴金属をひとまとめで語ることは不可能です。

金は、プラチナや銀などの工業用貴金属とは異なり、信用リスクが高まり、リスク資産が貨幣に変換される危機時においては、安全資産としてのプレミアムが発生します。

他の原材料品と金価格の動きを比べてみると、どの通貨建てにおいても、市場への信頼や経済上の需要が落ちると、金へ資本が流れます。それに対し、原油、銅、大豆はもとより、銀やプラチナでさえも、市場がリスクを避けることを望む場合、価格の下落が起きます。そして、この強気市場は、量的緩和からのインフレによる経済成長であったとしても、このような経済成長に依存する傾向があります。

つまりは、金は、大部分のアナリシストとジャーナリストが考えるように、インフレ要因ばかりではないということです。現物の金を保管するのは、経済の現状を考えると、ソフィスティケートな方法とは思えないかもしれません。また、短、長期においては、金を購入するというヘッジ方法は、すべてのドル建てポジション以上の収益を上げないかもしれません。しかし、金を保管するのは、歴史的にも証明された、十分に正当な方法であるのです。

金の投資をお考えですか?

Adrian Ash, 24 May '10
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エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。