ギリシャマネーの謎 - 4 May 2010

ギリシャの貯蓄者は、過去30年間で最悪の通貨危機からどのように逃れているのでしょうか。

債務不履行から逃れる際に、最後まで居残った者が得るものは全くありません。少なくとも、この危険を十分に事前に知らされている場合は。

そのため、ギリシャ政府が緊縮財政を行うかどうかに関わらず、またどの債権者が被害をこうむるかに関わらず、ギリシャ国民がその貯蓄を年初から国外へ送り出していることを非難することはできないでしょう。

ユーロ圏の国債を保有している人々のインフレを誘発する「解決策」に対する憂慮を心に留めておく必要があるでしょう。しかし、国債が選択肢でないとしたら、どこへ貯蓄を保全すればよいのでしょうか。それでは、ギリシャの貯蓄者がどこへその貯蓄を持ち出したかを検証してみましょう。

今年第一四半期にギリシャの個人もしくは個人のビジネス口座から引き出された106億ユーロは、それぞれの財布に収まっているのでしょうか。おそらく一部はそうでしょう。しかし、ギリシャ国外のギリシャの銀行に移されたのではないと推測できます。それは、欧州中央銀行で報告されたギリシャの銀行の負債が、今年3月に記録的に上昇したことが周知の事実であるからです。

ユーロ以外の通貨については、ギリシャ以外の銀行も一つの選択であるでしょう。下記の前年比通貨供給の成長を表す欧州中央銀行のチャートが示すように、ユーロ圏の銀行の預金は、今年第一四半期に全体で0.2%減っています。

確かに、現物金地金を購入するために、BullionVaultへもギリシャからの資金は流れています。

今年1月から3月までのギリシャの銀行口座からBullionVaultへのユーロの送金は倍増しています。この額は、金融危機の真っ只中の2008年第四四半期における最高額のレベルに近いものです。ギリシャのIPアドレスからのトラフィックは一日300を超え、このトラフィックの量も今年初めと比べ倍増しています。

もちろん、ここでは106億ユーロの資金の中のごく一部の資金について述べています。しかし、2009年のワールドゴールドカウンシル年間データにおいても、欧州の金への需要は、米国と中東を合わせた一般投資家の需要を超え、トン単位で21%の増加となったことを示しています。この需要量は、インドと中国に次いで第三位となっています。

通常通貨危機は金価格に良い影響を与えます。これは、通貨価値が落ちた結果である場合です。そして、このように備蓄通貨が大きく影響を受けたのは、1970年代後半に米国債がCertificate of Confiscation(差し押される証書)となった時以来です。

金の投資をお考えですか?

Adrian Ash, 04 May '10
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エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。