ゴールドETFと中央銀行の行動 - 30 November 2011
スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、昨今のゴールドETFと中央銀行の動向を解説しています。

9月に1920ドルの歴史的高値をつけたあと、ゴールドを買っていたのはアジアの実需筋に加えて、ゴールドETF、そして中央銀行であったことがはっきりしてきました。

9月の価格急落以降、ゴールドETFの残高は増え続けています(上図)。これはこれまでとはちょっと違う動きです。急落のまさにそのときは残高を大きく減らしましたが、その後値段が戻るとともに残高は増え、今回1800ドルから1700ドル割れの場面ではそのまま一本調子に残高が増加しています。基本的にETFはゴールドの価格の動きに正比例的な動き(価格が上がれば残高が増え、価格が下がれば残高が減る)が多いのですが、今回はまったく逆。価格が下落傾向にあるのにもかかわらず安定的に残高が増えています。そして11/25日現在75.585million onz(=2350トン)と史上最大の残高となっています。この残高は中央銀行の持ち高に入れると第6位となり、中国よりも多く、5位フランスから85トン少ないだけです。 一方Comexの投資家ロング残高はほぼ価格の動きに正比例の動き。価格の急落とともにその残高を1000トンのロングから一時600トンまで減らしたあと、現在は800トン半ばまで戻しています。

IMFのサイトによると、この急落の間(10月)に中央銀行が買ったゴールドの量は25.7トン。ロシアのゴールドリザーブは19.5トン増えて 871.1トン。カザフスタンは3.2トン購入して73.6トン。コロンビアは1.2トン増やして10.4トン、ベラルーシは1トン増加の31.9トン、メキシコが0.9トン増加させて106.3トン。一方ドイツが記念コインの発行で4.7トンの減少(ここ数年ドイツのゴールドが減る理由はコインの鋳造に おいてのみということ)。
中央銀行全体の動きとしては、新興国がそのゴールドの残高を増やす一方、もはやゴールドを持っている欧州を中心とした先進国は、みんなゴールドの売却を止めています(新興国のゴールドの外貨準備における割合はほとんどが5%以下ということろが多く、欧州の先進国は軒並み70%以上の割合でゴールドを保有している)。
ゴールドは過去11年以上ずっと上昇し続けているマーケットであり、当然の事ながら中央銀行がその価値に気づいてもおかしくないというところでしょう。 2009年まで一貫してネットの売り手であった中央銀行が、買い手にまわったということはやはりゴールドにとっては非常に大きな強気材料だと思います。またアナリストの中には、IMFの統計に出てこない部分でのさらなる中央銀行のゴールド買いを考えている向きも多く、実際中国のようにその数字を公表しない国もあり。実際の数字はさらに大きなものであると考えられます。

ETFそして中央銀行といった長期的投資家がゴールドへの投資を増加させているという事実がゴールドが今後も底堅い展開をするという見方にさせます。
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貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。









