リーマン・ショックで金は売られたのか? - 30 June 2011
初心者にも分りやすい金のブログとして、ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表豊島逸夫氏にも推薦されている、「はじめての金読本」において、リーマン・ショックで、なぜ金が売却されたのかを解説されています。

これまで大勢の方からいろいろな質問をいただきましたが、まだQ&Aで取り上げていないものがいくつかあります。そのうちのひとつが、今回取り上げる題目、「なぜリーマン・ショックで金は売られたのか?」です。質問の趣旨はつまり、金は信用リスクに強いはずなのに、リーマン・ショックで売られたのはどうしてなのか、です。
本題に入る前に、まずひととおり確認しておきますが、米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したのは、いまから2年9ヶ月ちょっと前の2008年9月15日です。その直後から世界中を一気に駆け巡った極度の金融不安・信用収縮を指してリーマン・ショックと呼びます。それに伴って、株式も債券も商品もすべて売られています。ショックの津波はもちろん実体経済にも及んでいます。
それを念頭においた上で、金価格チャートをご覧ください。じっくり見ると、おや?なにか奇妙だなと思いませんか?
金価格は、リーマン・ショックに先立つ1年以上前、2007年8月に露呈したサブプライム・ローン問題という、信用リスクを背景にすでに大きく急騰していました。価格急騰をリードしたのは、いうまでもなくCOMEXと呼ばれるニューヨーク商品先物取引所です。取引所というと語弊があるので先物市場と言っておきます。
ところで、急騰前の価格水準は700ドル弱でしたが、その急騰劇で天井を付けた翌年3月17日には、ロンドンの午後の値決価格で1011ドルを付けました。7ヶ月で300ドル強、これはどうみても上がり過ぎで、相場の定石通り、その後いったん調整局面に移行しますが、ふたたび上昇し7月15日に986ドルの天井を付けます。
当時のチャートをよく見ると、山がふたつできています。これはつまり、相場が天井を打った時のサインとされるM字のダブル・トップが形成されたということです。案の定、その後、金価格は下げ始めるわけですが、そんな折り9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻しました。そして相場商品が総売り状態になったわけです。
ここでもう少し詳細に当時の価格推移を追ってみましょう。
一般には、リーマン・ショックで金も売られた、などと喧伝されているのですが、そうではありませんね。じつは金価格は、そこから二週間上昇しています。直後は信用リスクで買われていたというのが実態です。
当時を値動きを半年くらいのスパンで眺めると、もちろん金融有事に遭遇して極度の急激な信用収縮にあって、キャッシュが必要となって手持ちの金も売られたという側面もたしかにあっただろうと思いますが、むしろあまりに急激な高騰の後の大きな調整という色彩の方が強かったと考えた方が正解に近いだろうと思います。本来なら、相当長引いたであろう調整が短期に終わったと、当時の相場については、そう考えた方が良いでしょう。
その後は、教科書通り、信用リスク、通貨リスクを背景に、他の相場商品が大きく値を下げ続けるなかで、金価格は早々と調整を終えてすぐさま立ち上がっています。
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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。










