貴金属ETFの現状 - 8 September 2010

スタンダードバンク東京支店長池水雄一氏が、「ゴールドディーリングのすべて2」で貴金属ETFの現状を分析しています。

今週はETFです。現状がどのようになっているのか見てみましょう。すべてのETFが程度の差こそあれ、基本的には右肩上がりでその残高は増え続けています。まずそれが大前提です。

上の表は今年8月末現在の世界の主な貴金属ETFの残高です。わかりやすくするために各メタルの年間鉱山生産量と比較してみました。やはり金におけるETFの存在は非常に大きいのがまず一目瞭然です。金の年間鉱山生産量が2,572トンに対して、ETFの残高は2,082トンとほぼ80%の規模の残高にまで膨らんでいます。金ETFが始まったのが2003年ですから、それからわずか7年でこれだけの金をマーケットから買ったことになります。その中でもSPDRが圧倒的な規模を誇り、金ETF全体の60%を占めます。金ETFと言ったときはたいていSPDRのことを意味していると言ってもよいでしょう。

銀ETFでは、生産量の2万2千トンに対して、残高が13万トンと約60%の規模があります。その中でもiSHARESが70%と圧倒的なシェアを誇ります。

もっとも後発のPGMは金や銀ほどの影響力を持つにはまだ至っていません。生産量に占める割合も20-30%です。しかし、2010年1月に始まった米国でのETFが発売早々に大きく残高を伸ばしています。やはりETFは米国ということでしょうか。銀ETFの上場の時には、銀加工業者のような需要家から大きな反対運動がありましたが、PGMは意外にも、あまり大きな反対運動も起こりませんでした。需要家の反対で上場すら難しいのではないかと思っていたのですが。

日本独自なものは4つあります(野村アセット、みずほ投信、大和證券、三菱UFJ信託)が、全部あわせても資産額は80億円程度。金重量にすると2.4トン程度と世界の2,082トンと比べて、約1000分の1と、こと貴金属ETFに関する限りまだまだだといえます。

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池水雄一, 08 Sep '10
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貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。