金と主要4通貨について - 6 October 2010
世界の主要4通貨は、金と比較するとそのリターンは明らかに下回っているようです。
「先週のロンドン貴金属市場協会のベルリンにおける年次会議の結論は、昨今金地金は、経済市場をディーリングルーム以上に騒がしているということです。」とBullionVaultのリサーチ主任エィドリアン・アッシュは、語っています。
この会議で話した何人かのディラーによると、ビジネスとしては大きな動きはないとのことです。一人のスピーカーによると、金の現在の上げは、実際よりも大きく取り上げられているとのことです。また、他のディラーによると、ドル建て金価格が6月の最高値を超えた9月の初めに、ボラティリティーは5年間で最も低いものでした。そして、これは現在も低くなっています。銀価格のボラティリティーも、30年ぶりの高値を記録しているにもかかわらず、過去3年間で最も低くなっています。
ドルに注目しなければ、このような価格の変動の無さに気がつくことでしょう。
BullionVaultの世界の金指標は、GDPで加重調整された、世界の主要10通貨に対する金価格を表示しています。
最近のIMFによる経済成長率の予測は2010年の数値に適応されています。ここでは、米国ドルがトップで、ユーロ、人民元、円、ポンド、ルーブル、ブラジルのレアル、カナダドル、インドルピー、メキシコペソと続いています。
弊社の金指標と、世界人口の半分以上で使われ、しかも年間経済生産の3分の2を生み出す国々で使われている通貨を比較してみると、 過去3ヶ月間には次の3つの点が明らかです。
- 金の強気市場のパターンは、全ての世界通貨で第三四半期に継続しています。(7月の最低値は、年間最低値であった3月の価格よりも高くなっています。)
- 第三四半期は、2000年1月から数えて43四半期中、少ないながらも金価格が上昇している33番目の四半期です。金価格指標は、421から422へと上げています。(2000年1月1日を100とした場合)
- 最も顕著なものは、金はドルに対し5%上げているということです。これは他の全ての通貨の中で最も高い上げ率です。
この三番目の点はおそらく予想できることでした。それは、米国ドルの価値が下落していることは、夏からメディアの見出しを賑わせているためです。しかし、ここでさらに数値を分析してみると、次の二つの点が明らかになります。
①今年の7月から9月の四半期は、2000年の始め以来、米国ドルが全ての主要通貨の中で金に対して最も弱いことが記録された3度目の四半期です。(通貨の中で、通常最も弱いのはブラジルのレアルですが、2005年以来その位置から脱しています。 )米国ドルは、過去において2004年の第四四半期と2007年の第三四半期において、最も弱くなっています。それは、過去3ヶ月同様に、米国中央銀行の政策が、意図的に他通貨に対し米国ドルを弱めるためであったことからです。
②2009年10月からの過去四四半期において、金に対してリターンの上で最も劣っている世界の4通貨は下記のようになります。
- 2009年第四四半期において、金は、(ドルベースで中央銀行外貨準備総量の3.3%である)円に対して13.5%上げ。
- 2010年第一四半期において、金は、(同4.2%である)ポンドに対して9.3%上げ。
- 2010年第二四半期において、金は、(同26.5%である)ユーロに対して23%上げ。
- 2010年第三四半期において、金は、(同62.1%である)ドルに対しては最も早いスピードで上げました。
このように、世界の最も多く外貨準備として使われている通貨が、過去4四半期において、金に対して価値を落としていたのです。それは、外貨準備総量の割合の順でもあります。
おそらく、この現状は驚くべきものではないかもしれません。それは、米国、ユーロ、英国と日本の通貨が、公式に報告されている97.9%の外貨準備通貨である中、それぞれ金利を0%、1.0%、0.5%、0%へと下げるなどして、価値を下げているのです。 その中、昨年初めから、発展途上国はこれらの国々の通貨をその外貨準備から減らしています。
金地金には、もちろん金利がつきません。しかし、このような状況下では、金のゼロの利回りは、世界の主要通貨に対して決してハンディキャップではなくなっています。金を保有する「機会費用」は、まさに消えてしまったのです。そのため、金の需要が高まるのは容易に想像できます。しかも、世界の最も債務を抱える通貨建てにおいて。
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弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。









