金にはどんなリスクがあるのでしょうか? - 29 January 2011

初心者にも分りやすい金のブログとして、ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表豊島逸夫氏にも推薦されている、「はじめての金読本」において、金投資の際のリスクについて解説がされています。

欧米の金先物市場では、買い一辺倒から、売買い交錯へと、少しモードが変化しつつある模様です。つまり強気もあれば弱気もあるということで、長期的にみれば、じつに健全な傾向ということができます。しかし、欧米の景気回復期待に水をさすデータが出た時点で、またモードが変わるのではないかと予想しています。

さて、今回は読者からの質問を取り上げます。お題は「金にはどんなリスクがあるのでしょうか?」

まず、金には希少性にもとづいた独自の価値があります。二千年以上にわたって通貨であり続けている歴史もあります。そのもの自体に価値がある実物資産ですから、昨今とくに気になる信用リスクなるものとも無縁です。つまり、紙くず=価値がゼロになることもありませんから、長期保有に適した資産ということができる良いでしょう。

しかしそれだけ頼もしい資産であるとはいっても、もちろん万能ではないし、リスクもあれば弱点もあります。一般に、資産にまつわるリスクには、価格が変動するリスク、為替が変動するリスク、流動性が枯渇するリスク、そして信用が破綻するリスクの4つがあると言われます。この分類にしたがって、金および他の資産が、それぞれどのようなリスクを持っているか見てみましょう。

〈価格変動リスク〉

金といえども、現在では相場商品のひとつですから、市場の取引状況によって価格が上がったり下がったりします。売買のタイミングによって利益が出ることがある反面、もちろん損失が出ることもありますから、金には価格変動リスクがつきものと言うことができます。この点おいては、株式不動産などと同じです。

〈為替変動リスク〉

金は国際的にはドル建てで取引されています。日本国内で金を売買する場合には円建てに換算されますから、国内の金価格は円ドル為替相場の影響を受けます。仮に国際金価格に変動がない日であっても、円ドル為替が円高に動けば国内の金価格は下がりますし、円安に動けば国内の金価格は上がることになります。つまり、金は為替変動リスクがつきものと言うことです。外貨預金、外国株式、外国不動産など、外貨建ての資産に分類される資産は、すべて為替変動リスクがあります。

流動性リスク〉

必要な時に容易に現金化できる資産であるかどうかは、資産選択の重要なポイントとなります。現金化するのに手間、時間、手数料が多くかかる資産は、流動性リスクが高いと捉えておくべきでしょう。金の売買では500グラム未満では手数料がかかりますが、手間や時間もたいしてかからないという意味で、流動性リスクは低いと言うことができるでしょう。リーマンショック後に金が一気に売られたのも、金市場の流動性が高く、現金化しやすかったからです。流動性リスクの高い資産としては、定期性の預貯金、債券、年金、保険、不動産などがあります。

〈信用リスク〉

資産は大きく二つに分類することができます。一つは「信用」をベースに発行されている「ペーパー資産」、もう一つはそのもの自体に価値がある「実物資産」です。貴金属、土地、建物などが「実物資産」に分類されます。つまり金はそもそも「信用」そのものと無縁ですから、とうぜん「信用リスク」とも無縁ということになります。なお、信用リスクと金利とは密接な関係があります。信用リスクが高まれば金利というのは上がるもの、信用リスクが低くなれば金利というのは下がるもの。金に金利がつかないのは、信用リスクがないためであり、メリットとデメリットは裏表の関係にあるということです。この点は、ここでしっかり認識しておいてください。

いかがでしょうか、だいたいご理解いただけたでしょうか。あらゆる資産には、なんらかのリスクがあります。したがって、資産保全を考える場合には、ただたんに資産を分散すれば良いというものではなく、リスクの種類が異なる資産に分散するという観点が重要です。金の場合は、長期のヘッジ資産という位置づけとなります。

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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。