金への投資は投機なのか - 6 September 2010

金本位制が終わり、その価値は平均して75%上昇しています。

そのような中で、The Daily ReckoningのBill Bonner氏は、「現在の金価格は適正であると述べています。」と、BullionVaultのリサーチ主任Adrian Ashは、昔の同僚の言葉に言及ています。

しかし、Bill Bonner氏は金を売却することはないでしょう。少なくとも現時点では。しかし、金が低く評価されていた時代は終わりました。そして、投資家達は400%の収益を得たのです。Bill Bonner氏がしばしば比較として引用するのは、1オンスの金で購入できたものですが、2000年前は仕立ての良いスーツであり、今日の金の価値はそれ同様、もしくはそれ以上のものとなっています。

ここからは、金は「投機」となるのでしょうか。

もう少し考えて見ましょう。キリストの生誕した頃は、全ての衣類は、現在のように世界で最も安い人権費で大量生産されるのではなく、その地域で手作りで作製されていたのです。コロシアムやアゴラのような正式な場所へ出かける際の衣服は、オーダーメイドで作られたはずです。今日の最も高価なスーツは、ロンドンやニューヨークにおいては、少なくとも現在の金スポット価格である1オンスあたり1240ドル以上の値段でしょう。

Bill Bonner氏は、良い点に注目しています。ここで、さらに考えて見ましょう。

 

先のチャート(ワールドゴールドカウンシルのRoy Jastram氏の「The Golden Constant(金の継続性)」から引用)が表示するように、1990年代後半は、金は実質的に低価格であったため、金を買う機会であったといえるでしょう。

しかし、「投資家は興味を示さなかったのです。」とロンドンのディラーは述べています。

それに対し、今日においては、憂慮する投資家や強気なヘッジファンドが金を購入するのを止めることはできないでしょう。また、オンラインのNew gold dealersやウォールストリートジャーナルといったメディアが金市場を取り上げるるのを止めることも。どこを見ても、「金価格はバブルに違いない。それでは、いつそれが弾けるのであろうか。」という記事が、過去2年間の間掲載され続けています。

金は、1980年台の購買力に近づきつつあります。しかし、先のチャートをもう一度良く見てください。Roy Jastram氏が、彼の二百年の米国の金価格(そして四百年の英国金価格)の中に、「The Golden Constant (金の継続性)」を見出したに対し、短期の価格の変動には、目を見張るものがあります。特に、金本位制が廃止されて以降の39年間は、収集物や装飾品となっていたのです。

Bill Bonner氏は下記のように述べています。

「金が買えるものという観点から言うと、この価値が低く評価されているとは思いません。金は、適正価格であると思われます。」

「しかし、現在金へ望むものは異なるのです。それは、遺産目的ではなく、投機目的なのです。この金属が実際の価値を取り戻すことによって収益を上げるのを待つことはできません。もうすでにその実質価値であるのです。」

しかし、 Jastram氏の「The Golden Constant (金の継続性)」のリサーチをにおいても問いかけていますが、金の実際の購買力は何なのでしょうか。今日BullionVaultにおいて見ることができるのは、その購買力は1971年に米国が金本位制を廃止して以来、急激に上げていることです。特に、20世紀の最初の70年間と比較するとです。事実、金の実際の購買力は、平均して75%上げています。これは、不可思議です。それは、装飾品としての用途以外のない、通貨として使用されていないものとなりながらも、金はより価値を上げているためです。この金の購買力が、Roy Jastram氏執筆した1977年から歴史的な期間継続しているように見えながら、その用途は実は変わっているのです。

金は、通貨ではなくなったにもかかわらず、購買力を保管するためにより有効なものとなったのです。もしくは、日々通貨の供給が増加する今日、通貨ではないがためにです。元米国大統領リチャード・ニクソン氏のアシスタントであったJohn Ehrlichman氏は、連邦準備制度理事会の理事Charles Pardee氏に、1970年代初めに、「日々どのように通貨供給を増加させるかを考えてもらいたい。」と言ったというのです。戦後の欧米の経済政策には、大恐慌の影響が大きく残りました。それは、通貨の価値が下がらない限りは、投資商品の価値の増加は望めないと信じることです。

インフレ率の上昇をなくして、資本は預金口座などに留まることとなります。それは、その購買力は変化しないためです。貯蓄者は、現時点での価値を保全するために何らかの措置を取る必要なく、どのように資本を使うかの選択をすることを持ちます。それに対し、インフレ率の増加により通貨の価値が下がるということは、貯蓄者へ消費や投資へと向かわせ、インフレをさらに進めるのです。

「ハーバート大学教授Kenneth Rogoff氏は、 米国が大きなインフレによって経済不況から脱出することを提案しています。」とプレストン大学教授のPaul Krugman氏は述べています。「同意しますが、中央銀行がレバレッジを得ることができるのは、インフレを必ず長期間続けることを明言する場合のみです。(Rogoff氏の言うような)数年間多少のインフレをした場合ではありません。」

Bill Bonner氏の言わんとしていることは、金への投資はこれからは投機であろうということですが、投機は、英国においてはイングランド銀行の総裁Mervyn King氏や連邦準備制度の議長Ben Bernanke氏に新規のインフレを作り上げる経済政策を導入させることができない限りは、机上の空論であるのです。

もしそれが可能となった場合、実際の価値を保全する用途として、金はどのような価格となるのでしょうか。 

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Adrian Ash, 06 Sep '10
Adrian Ashさんのユーザアバター
エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。