金価格と米国ドルの関係 - 21 September 2010

「19年間のドルとの密接な関係を終え、世界の通貨引き下げ競争の中で、金はその投資価値を上げています。」とBullionVaultリサーチ主任Adrian Ashは、その関係を分析しています。

1991年夏(45取引日における平均相関関係+0.58)から、最も長い間ドル指標(trade-weighted Dollar Index)と同様な動きを見せていたドル建て金価格は、しばしば一般的に理解されている、為替の動きと正反対の動きをするという関係に、先週金曜日戻りました。

火曜日には、今週3度更新された最初の最高値の記録を更新しました。インドのルピー建て金価格のみが、同様な動きを見せています。

それでは、今後の価格動向はどのようになるのでしょうか。歴史から学ぶと、今後さらにドルに率いられた金価格の動きを予測します。 少なくともメディアを賑わす見出しの上では。今年の夏に強い正の相関関係があったことから、典型的には、ドルと金が正反対の動きを行う、強い負の関係が続くはずなのです。

しかし、だからといって、ドル建て投資以外を行う者達にとって利益が望めないということではありません。特に、金が全ての主要通貨において、長期間続いている強い上昇傾向や、主要中央銀行が自国通貨をドルに対して引き下げようとしている限りは。

「日本政府の為替介入以来、世界の通貨政策に関して投資家は確かに神経質になっています。」と三菱の新しい貴金属ストラティジストMatthew Turner氏(前VMグループ)は、ロイター通信に語っています。

「多くの人々は、自国経済を立て直すために、中央銀行が、通貨増刷による通貨価値をより低く引き下げるという競争を行っていることを感じ取っています。そして、金市場はそれによって支えられているのです。」

日銀は、活発にドルを購入し円を売却しています。 その間、イングランド銀行は、実質金利を24ヶ月以上もゼロ以下に抑えています。今年5月のギリシャの財政難の際には、どのような美辞麗句で飾られた政策であろうと、フランスとドイツがユーロ高よりも、ユーロ安を望んでいることは明白でした。そして、おそらく北京が日本円購入戦略の前触れとして行った、新しい「人民元の柔軟性」を導入したにもかかわらず、6月以来対ドルレートは、1.4%しか上げていません。

これは、2008年の第一四半期の4.8%の上げや過去3ヶ月におけるニュージーランドドルの5.5%の上げ、そして豪ドルの8.7%の上げやスイスフランクの15%の上げと比べると、実に些細なものです。

先のグラフからも見られるように、長い期間、今日までの金の強気市場は一つの通貨に限られたものではありませんでした。 これは、全ての通貨に対してだったのです。

弊社で作成した世界の金指標(世界の主要先進10カ国の通貨の日々の金価格を経済規模で加重し、2000年1月1日を100として表示)が表すように、2000年当初以来、金価格は4倍となり、全ての通貨においてはより一層上げています。 そして、2010年の今日まで、また過去40年間においても、常にドル建て金価格を予測しようとしているトレーダーにとって知るべき最も重要な点は、金価格のドル指標との相関関係(+0.02から-0.15といった)は、統計上取るに足らないものだということです。

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Adrian Ash, 21 Sep '10
Adrian Ashさんのユーザアバター
エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。