金価格に割安・割高度を示す指標はありません - 10 May 2011
初心者にも分りやすい金のブログとして、ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表豊島逸夫氏にも推薦されている、「はじめての金読本」で、金価格の指標の有無について解説しています。この記事は5月6日に発行されたものです。

金、銀、プラチナともに、調整モードに入っています。あまりに急な上昇の反動で下げ方もキツくなっていますが、金の下落はそろそろクライマックが近いかなという感じ。
そんななか中央銀行の金準備増強のニュースが入りました。中国、インド、ロシアなど新興大国の中央銀行が金購入に動いていることはすでに何度も紹介していますが、この1-3月に中南米の新興国メキシコも新たに93トン、金準備を増強していたことが明らかになりました。中南米には金を大量保有する国はありませんでしたから、金市場では注目されるところになっていますが、背景にあるのはドル不安だろうと見られています。ちなみに同時期に、ロシア、タイも金購入に動いています。
さて、今回は金に適正価格はあるのかないのか、について。
たとえば株価の場合には、PER(株価収益率)とかPBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)など、個別銘柄ごとに割安度や資産状況をみる指標があります。もちろん割安=投資適格ということではありませんが、なにはともあれ現在の価格水準が適当かどうかは、こうした指標から推測することはできます。
たとえば地価の場合には、分かりにくいものであるとはいえ、公示地価と呼ばれる一定の指標が存在します。
では、金の場合には、どんな指標があるのでしょうか?
残念ながら現在価格が割安かどうかを示す指標はありません。たしかに金は、インフレ進行時に買われやすくなりますし、ペーパー資産のリスクが高まっても買われやすくなりますが、そこに明確な指標が存在するわけではありません。
しかし、反対に金は、ドルやユーロといった人工的な通貨が、適正な価値を維持しているかどうかを図る指標になります。金は昔から受け身の存在で、通貨価値の鏡として存在します。つまり、2001年以降、金価格が長期上昇を続けているのは、ドルやユーロの価値が下がり続けている証しということです。
金の現在価値を図る指標は存在しませんが、しかし、金は通貨の現在価値を図る指標として存在しています。金は通貨のヘッジとして保有するものと認識してください。
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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。








