金価格はほんとうに上昇しているの - 7 February 2011
初心者にも分りやすい金のブログとして、ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表豊島逸夫氏にも推薦されている、「はじめての金読本」において、近年の金価格の上昇について、ドルの価値の変化と関連付けて解説されています。

中東地域の要エジプトで反政府デモが一気に燃え上がり、周辺のイスラム諸国へ波及しつつある状況です。アラブ世界のベルリンの壁崩壊か、とも言われています。もたらされる衝撃は、それ以上になるかも知れません。
さて、薮から棒のようなタイトルで驚かせて済みません。国際金価格が2001年春から上昇トレンドにあること、そして現在もそのトレンドが続いていることは、これまで金読本でも、さんざんお話してきました。それにもかかわらず一度は考えておきたいのが、金価格はほんとうに上昇しているのだろうかという点です。
なにを言いたいのか? ま、話を聞いてください。
国際金価格は1オンス当たりのドル建てで表示されています。2001年春に1オンス=250ドルの水準にあった金価格は、2010年末には1オンス=1400ドルの水準にありますから、ほぼ10年で6倍弱まで上がっていることが分かります。金価格が上昇していることに疑いを挟む余地はありません。
それにもかかわらず、金価格はほんとうに上がっているのか。
ためしに視点を変えると、別の景色が浮かび上がってきます。これは金をドルで評価しているからそうなっているので、反対にドルを金で評価すると、どういうことになるのか。1ドル=0.004オンスから、1ドル=0.0007オンスへ。ドルの価値は10年で1/6弱まで下がっていることになります。
ドルの価値を一定とすると、たしかに金の価値は5~6倍に。しかし、金の価値を一定とすると、ドルの価値が1/6弱に。モノの価値が、評価基準によってガラリと変わる好例ですね。
金価格が↑と見るのか、ドルの価値が↓と見るのか、その両方と見るのかは、判断が別れるところでしょう。読者のみなさんは、どのようにお感じになりますか。
最後に、興味深いデータを紹介しておきます。これは米国FRBが供給しているドルの変化です。専門的にはマネタリーベースと呼ばれるものです。
(1) 2001年03月07日 618億ドル
(2) 2008年09月10日 876億ドル
(3) 2010年12月29日 2026億ドル
(データ出典:米国セントルイス連銀)
(1) は金価格の上昇トレンドが始まる時期の供給量
(2) はリーマンが破綻申請する5日前の供給量
(3) は金価格が1400ドルの水準にある時期の供給量
この10年で、ドルの供給量は3倍以上に膨らんでいます。
金は、万一の破綻リスクに備える資産ですが、同時に、インフレをヘッジする資産でもあるということを、ここであらためて確認しておくと良いでしょう。
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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。








