金投資、それは正しい選択か、それとも待つべきなのか - 22 November 2011

金投資をすることが正しい選択であることは、近年の収益性からも明らかです。しかし、それは待つに値する十分に異論の多い投資方法なのでしょうか。

「投資によって収益を上げる最も良い方法とは何なのでしょうか?」と、ブリオンボールトリサーチ主任のエィドリアン・アッシュは問いかけています。

投資家として著名なウォーレン・バフェット氏は、それは「正しい選択」と考えています。また、5百万ドルを残し1940年に鬱病を患いピストル自殺を遂げた伝説の投機家、ジェシー・リバモアにとっては「待つこと」がその手法でした。現代のカリスマヘッジファンドマネジャーであるヒュー・ヘンドリーは、誰も取ろうしない「異論の多い」ポジションに収益のチャンスがあると考えます。

現在、金投資以上に異論の多い投資はあるでしょうか。

「ポートフォリオ上で異論の多いポジションを取らずして、収益を上げることができるでしょうか。」と、ヘンドリーは今年夏のインタビューで述べています。

「異論の多いポジションを取ることで、収益を上げるということは保証されていません。しかし、自分では納得できるけれども、最も異論の多い見解は、収益を上げる可能性が高いと考えます。」

バフェットが金投資をどのように考えているかは周知の事実です。また、現在に至る世界金融危機時に金が見出しを飾っていた2008年ですら、ヘンドリーが強気市場で金を購入しなかったことも、十分に知られていることです。

「(人々)は、金融市場の混乱を恐れています。全ての人々が購入をしているために、金貨は品切れ状態です。」

そのため、他と異なるポジションを取る投資家は、金投資をすべきではなかったはずです。もしくは、トロイオンスあたり800ドルで、金のショートポジションを持つべきでした。それは、「全ての人々(実質価格が史上最高値となった1980年代初めに購入していた以外の人々)」が金投資を行っていたためです。

そのために、異論の多いポジジョンを好む投資家は板ばさみとなるのです。それは、金融紙面のみを読むと、2011年末を迎える今、全ての人々が金を購入しているように見受けられます。また、先のチャートを見る限りでは、インフレ調整後に金は記録的レベルに戻りつつあり、金の最高値に近づいていることが明らかであると言えるかもしれません。それでは、1980年代初めのように強気市場は既に去ってしまったのでしょうか。そのため、金投資の機会を既に失ってしまったのでしょうか。しかしその場合、多くの欧米の一般投資家と貯蓄家もまた機会を逃したと言えるのです。

今日、実際には欧米の一般市民の限られた人々のみが投資目的で金を保有しています。それに対し、アジアからの継続した強い需要が見受けられます。アジアにおいては、人々は伝統的に金を好み、近年一般市民の金所有が解禁となったために強い需要があるのです。これは、欧米の金融の専門家及びアドバイザーの想像をはるかに超えるものです。

そして、新興国の中央銀行もまた、記録的なスピードで静かに金購入を続けています。このような中、実際に金投資において異論の最も多い見解とは、30年前には至らなかった、金価格がさらに上昇するというものかもしれません。

伝説の投機家ジェシー・リバモアに関して言えば、彼が取引をしていた1800年代においては、金は利益を出す手段ではなく通貨であったのです。

それは、今となっては信じがたいことかもしれませんが。

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Adrian Ash, 22 Nov '11
Adrian Ashさんのユーザアバター
エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。