金現物の流れと相場の見通し - 31 March 2011

スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、今後の金相場の見通しを金現物の流れと関連して分析しています。

震災から二週間以上が過ぎ、少し落ち着いてきたような気がします。当初見られたパニック全部売りは、やはり落ち着いてくるとともにすばやく買い戻されまし た。すっかり見なくなった外国人もちらほらと東京に戻りつつあるようです。あとはやはり原発の放射能の閉じ込め、そして被災者の救済に集中ですね。みんな が安心して暮らせるようになりますように。

今週はStandard Bank Gold Physical Flowを参考に現物の流れと今後の金相場の動向をみてみます。

金の現物市場では3月11日までは投資家の売りがメインな動きでした。ところが日本の震災を境にその流れは大きく変わり、現在は上の表でもわかるように買い手に回っています。 もっと重要なことは、今年に入って始めて、1400ドルを越えたところでも現物が売れ出したということです。実需の買いに火がついたのはもちろん 1400ドルを割ったところでしたが、この買いは1400ドルを超えてからも続いています。これは実需の買いがより一段高い価格に慣れてきたということ で、これは今後のマーケットを占ううえで強材料です。 しかしこの買いがどこまで続くかは、注意が必要です。昨年後半、マーケットを1400ドルに押し上げた実需の買いは、1400ドルを越えることによっ て、まもなく売りに転じました。ちょうど年末の宝飾需要の盛り上がる時期にも関わらず、です。現在、季節的には宝飾需要の少ない時期にあり(Figure 2参照のこと)、またぞろ実需が売りに回る可能性も考えられます。このためStandard Bankとしての相場の予想は、ゴールド1500ドルというレベルが第三四半期であり、第二四半期としていないのです。

実需の買いのパターンを週単位で見てみると(Figure 2)現在のトレンドは昨年2010年のトレンドと非常によく似ています。 戦術的(短期的)には、ファンダメンタルな下値サポートと投資価値が1385ドル以下にあります。このサポートレベルは1月末の1340ドルというレベ ルから上昇したと見ています。世界の資金流動性はこの間に大きく増加し、世界の実質金利は大幅に下がっています。現時点では1450ドルは買われすぎとい えるでしょう。(下:Global Liquidity and gold 参照)

戦略的(長期的)には強気の見方は変わりません。第三四半期に1500ドルへ上昇をターゲットとします。しかしながら、第三四半期前にこのレベルに到達することも十分ありえるでしょう。 以上

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池水雄一, 31 Mar '11
池水雄一さんのユーザアバター

貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。