銀地金投資について - 25 March 2010
インフレに強く、産出量を制御しやすい、銀の4つの注目すべき点について
銀行に預金するのは、金融業界が提供する方法の中で最もリスクの少ない方法でしょう。しかし、現在のゼロ金利下で銀行貯蓄することは、確実な損失を意味します。
金利がインフレ率より低い状態が長く続くほど、より多くの人々が資産を守るために、よりリスクの高い方法を選ばざるを得なくなるでしょう。そして、その一つの方法が銀購入です。今日の通貨政策の中での将来的なインフレを憂慮する貯蓄者や投資家の中では、すでに銀への投資は行われています。
BullionVaultにおいては、過去12ヶ月間に250人以上の顧客から、金地金購入同様に、銀地金購入をする要望を受けました。 過去に既存の16,500人の顧客から寄せられた様々な要望の中に、これだけ多くの顧客が望んだ要望は一つもありませんでした。 このような顧客からの強い要望を受けて、BullionVaultでは銀地金取引サービスを開始したのです。
それでは、ここで銀地金投資について考えて見ましょう。

金地金の投資は、ソシエテ・ジェネラルのストラテジストDylan Griceが、今週数多く引用されたPopular Delusionsで述べているように、ゼロ金利と、中央銀行の量的金融緩和による、膨大な取消すことのできない政府の財政赤字下においては、歴史上7000年以上の間、資産を保全するために利用されてきた、希少価値の高い国際的に通用し、しかも供給が制限されている、非常に魅力のある投資手段です。
それに対し銀地金は、19世紀中後期に、その世界における通貨としての価値においては、金地金にその地位を明け渡しています。しかし、金が日常の通貨としては紙幣に置き換わり、中央銀行の金庫に備蓄されることで日々の生活からいち早く消えたのに対し、銀は20世紀まで通貨としても使用され続けていました。
銀の地球上における予測される産出量が金の17倍であることから、その貨幣として、また価値を測るための手段においては、歴史上の記録ではより一般的となっています。 しかし、今日においては、金と同様の魅力がある中、下記の4つの注目すべき点があります。
1. 金と銀の割合について
歴史的に(記録が残っている1900年頃から)、1オンスの金では15から16オンスの銀を世界のほぼあらゆる場所で購入できました。今日その割合は、金銀地金市場の卸価格(スポット価格)においては65倍となっています。これは、小規模地金や金・銀貨においては、小売におけるマージンの大きさゆえにさらに大きな割合となっています。多くのアナリシストと投資家は、今後この割合が過去のレベルに狭まることを予測しています。20世紀の平均は、銀が金に対し2倍の価値に至ったことを見ることができます。そして、この金価格は、現在多くの人々によって、ドル、ユーロ、ポンドに対し価値が上がってきていることは容易に見ることができます。
2. 消費量について
過去に算出されたほぼ全ての金が、宝飾品、金貨、金地金といった再利用可能な状態で現存しているのに対し、銀は原油、大豆、オレンジのような商品と見なされています。そのため、その再利用価値は消え去ることがあります。消費量は、金の価格に影響を与えません。しかし、リサイクルすることが必ずしも経済的ではないために、この消費量次第では、銀は価値を下げます。そして、通常金や銅といった他の鉱石の副産物であるがために、アナリシストは、銀の産出量が金や他の鉱石のように価格に影響を与えるとは考えません。
3. 工業における需要
金とは異なり、銀は永久的に工業における需要があります。そのため、リーマンショック後、金が利用されたように、デフレの際の資産保全目的で利用されるよりも、インフレに強く、先進国と開発途上国で著しく利用されていることからも、大きな需要にも十分に応えられるものです。銀投資を除いた需要は、ロンドンのVM Groupのアナリシストによると、下記のような理由から、2020年までに新たに3.5億オンスの需要が予測されるとのことです。
工業上の需要が銀価格を急激に押し上げた場合、全ての需要に歯止めがかかるかもしれません。しかし、銀鉱山会社等によって組織されているSilver Instituteによると、VMの予測は、2008年の4.5億オンスの工業需要量と比較されています。つまりは、銀地金は決して通貨システムの混乱のみに影響を受けるものではないということです。
4. ボラティリティー
過去42年間平均的には、金価格1%の動きは銀価格1.75%の動きと合致しています。そのため、金価格が急激に上昇することを予測している場合、銀価格の上げはそれ以上であり、それに伴うリスクが予測されます。 1980年の急激な値上げをご覧ください。金価格は6ヶ月間に3倍となり、銀価格はオンスあたり50ドルを記録し、これは金価格の5.7倍以上となっています。その後の下げは同様に急激であり、長期にわたるものでした。
金価格と比べて、銀価格の動きの激しさはなぜなのでしょうか。石油王のHunt brothersは、世界の銀供給をほぼコントロールし、最高値50ドルとした30年前においては、銀は市場においては大きな価値を持っていなかったとみなしています。世界の地金取引の中心である、ロンドンにおける地金卸売市場においては、日々銀の18倍の価値の金が取引されています。 実質の重量においては金に比べ8倍でありながら、世界の金の需要に比べると、銀の年間需要は11%のみで、15.2百万ドルとなっています。
さらには、年間の数値において、GFMSコンサルタンシーによると、87%の金の年間需要は、その価値を保存する手段(投資用金地金、金貨、宝飾品)として利用されています。銀においては、このような利用(投資用銀地金、宝飾品、銀用品)は35%のみとなっています。そのため、銀はより工業用需要に影響を受けることとなり、時として金価格より銅価格と同様の動きをすることとなるわけです。
しかし投資家は、銀投資を金投資に加える際、一般的にファイナンシャルアドバイザーが重要視をする多様性を望んでいるわけではありません。1968年以来の 日々の金価格と銀価格の平均的な相関関係は、+0.62(1ヶ月毎)となっています。もし、この二つの価格が全く同じ動きをする場合は、この数値は+1となり、全く逆の動きをする場合は-1となります。過去40年から10年までの金価格と米国株との相関関係は0であり、金価格とユーロの相関関係は、2000年以来+0.51となっています。しかしながら、過去10年間の強気市場においては、金価格と銀価格の値は+0.68に上昇し、過去5年間においてはさらに高く、+0.77となっています。
つまり銀は、長期間においては、他のどのような投資商品と比べても金価格と同様の動きをする傾向があります。しかし、銀行に貯蓄するのと同様に、リスクからは逃れることはできません。銀の魅力は、インフレが訪れる兆しがある中、資産を保全し、さらには利益を得ることであるのです。
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弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。









