韓国中央銀行がゴールドの購入を検討中 - 27 October 2010

スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で韓国中央銀行の金購入計画について語っています。

韓国は世界で五番目の外貨準備を持つ国ですが、現在そのあまりにドルに傾いたポートフォリオを見直すべく、ゴールドの購入を検討中と中央銀行が発表しました。韓国は現在14トンのゴールドを保有していますが、それは2900億ドルの外貨準備のほんの0.2%に過ぎません。先進国の間では極端にゴールド保有の少ない国だと言えます。(下図参照)世界の平均が約10%であることを考えてもやはり韓国のゴールド持ち高は極端に少ないといえます。

韓国の中央銀行、韓国銀行の頭取は議会での証言で、現在ゴールドは史上最高値圏にあり、相場の動きも激しいことから慎重に検討する必要があるとしながらも、韓国の中央銀行がゴールドの買い付けを公に検討するという表明されたのは初めてのことです。現在、米国政府が自国通貨つまりドル安誘導を行っており、ドルの価値は下がる一方です。また世界各国も自国通貨安をすすめて、さながら通貨戦争の様相を呈しています。こんな中、中国やインド、ロシア、タイやバングラデシュもゴールドの準備を増加させる動きに出ており、過去大きなゴールドの売り手であったヨーロッパの中央銀行もその売却をほぼやめている状態であり、中央銀行全体としてみれば、売り手側から買い手側に回っています。そして通貨安のため、より中立的なゴールドへの投資資金流入が加速度的に増加することもあいまって、ゴールドは1387ドルという歴史的高値を記録しました。

韓国は外貨準備の63%が米ドルであり、さすがにこの状況に危機感を抱いて当然でしょう。歴史的には韓国はゴールドのような商品よりも、流動性のある米国のトレジャリー・ビル(財務省短期証券)を重要視してきました。激しく動くことで悪名高いウォン相場をコントロールする武器になるからです。しかし近年はこの過度ともいえるドルへの傾倒を批判する声も広がってきており、英ファイナンシャルタイムスによると、ある韓国のエコノミストは「政府はゴールドを昨年のうちから買い始めておくべきであった。相場が上がってしまった今から買うのは難しいが、それでもやる価値はある」といい、「しかし中央銀行は優柔不断で、ゴールド価格が下がってくるのを待つのではないか。でもこの相場は下がりそうもない。」と言っています。

また、中央銀行内にはゴールドを買うことに関して反対派もいるようであり、まだすぐにゴールドを買うということにはならなさそうです。しかし、真剣に検討しているのは確かであり、もしこれが実現して、ある程度意味のあるレベル、少なくとも数パーセントにまでゴールドの割合を上昇させるとするとそれだけで、数百トンのゴールドを買うということになります。これは市場としても無視できない規模となります。また他の中央銀行の買いも考えると中央銀行というセクターがゴールドにとっては巨大な強気要因となりえますね。

*****************
金の購入をお考えですか?英国女王賞を受賞したBullionVaultをお試しください。 
 
池水雄一, 27 Oct '10
池水雄一さんのユーザアバター

貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。