2010年5月の記録的な金価格について - 2 June 2010

金価格が、2010年5月に過去最高値を記録しました。BullionVaultリサーチ主任Adrian Ashは、この市場の動きを次のように分析しています。

金価格において、5月に年間の記録を更新することは珍しいことです。ましてや、過去最高を記録することは、非常に稀なことです。

しかし、そのような場合、過去の例からも、新規投資家はクリスマスに価格が更に上がることを期待することでしょう。2010年5月は、円や豪ドルを含む全ての主要通貨で最高月終値を記録しました。

1968年以来、年間最高値を5月に記録したのは10回のみです。典型的には、3月、4月にピークを迎え、秋に市場が回復するまでの間、この時期から値が落ちるか、ほぼ横這いとなる「夏季休業状態」に入り始めます。

過去5月に最高値を記録した10回のうち、1993年の長期にわたる継続した強気市場であった1回を除く7回は、ドル建て金価格がその年末12月終値で上げています。 この過去10回の場合、5月購入者は、年末に平均14.7%以上の収益を得ています。

注 この平均値には、1979年の前年から続く強気市場による、最終的な急激な上げ幅94%が、データに含まれています。


BullionVaultの顧客によって所有されている金地金は、5月に20トンを超えました。 ドイツの金貨取引業者が品薄状態となったと同様に、米国造幣局は、イーグル金貨を記録的な量販売しました。ロンドンの専門市場は、SPDRゴールドシェアによる30トンの注文を1日の内に処理しました。BullionVaultによる世界の金価格のインデックスにおいて、月終値の最高値を記録したことは驚かざるを得ません。

2000年1月4日の値を100とした、世界金価格インデックスは、GDPによる世界主要10通貨を考慮に入れて算出されています。つまりは、このインデックスはその為替レートの変動を考慮しているため、紙幣と貴金属の比較をより明確に表します。これは、全く概念上とはいえ、世界の3分の2の経済活動を行う25億人のための金価格は、下記の表で見られるように、2000年1月から2006年初めに2倍となっています。その後、現在に至るまでに再び2倍となっています。また、先月世界金価格インデックスは、2010年4月末から5.2%上昇しています。

金価格を構成する通貨は、GDPの規模の順に表示され、その2010年5月の上げ幅は右に表示されています。

   5月の上げ幅(%)
米国ドル  2.40
ユーロ  10.43
中国元  2.48
日本円  -0.98
英国ポンド  8.45
ロシアルーブル  7.58
ブラジルリル  8.06
カナダドル  6.30
インドルピー  7.26
メキシコペソ  7.68
世界金価格インデックス

5.25

最も顕著なのは、ユーロの上げ幅です。米国ドルに追随する通貨として考慮されていたユーロですが、この通貨は、世界でも最も豊かな国々の中の16の国々で3.3億人によって利用されていますが、世界でも最も増刷された通貨でもあるのです。 さらに、これは発展途上市場の中央銀行の備蓄通貨の3分の1を占めています。

もし、昨今のイランや先月のロシアのように、アジアの中央銀行がユーロへのエクスポージャーを減らすことを決めた場合、米国ドルと金の備蓄量を増加させることは疑う余地のないことでしょう。

金の投資をお考えですか?

Adrian Ash, 02 Jun '10
Adrian Ashさんのユーザアバター
エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。