2011年上半期の金需給を読む - 1 September 2011
初心者にも分りやすい金のブログとして、ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表豊島逸夫氏にも推薦されている、「はじめての金読本」において、先頃ワールドゴールドカウンシルが発表した2011年第2四半期の「金需要トレンド」をもとに、上半期の金需給が解説されています。
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8月に入ってからの急騰で高値警戒感が漂っていた金相場にようやく本格的な調整が訪れました。そのタイミングで、COMEX(ニューヨーク商品取引所)が金先物取引の証拠金を引き上げました。今月に入って二度目となりますが、今回は、5500ドルから7000ドルへ27%の引上げ幅となりました。
その結果、高値更新中はパタリと止んでいたアジアの実需筋からの買いが旺盛に出ている模様です。しかし、COMEX金先物ではなお調整半ばといったところですから、調整局面でお馴染みの「先物の売り vs 実需の買い」の綱引きがしばらく続くものと思われます。
こんな時は冷静にトレンドを確認するのが良いでしょう。おりしも先頃、ワールドゴールドカウンシルから2011年第2四半期の「金需要トレンド」が発表されましたので、今回はそのポイントをざっと紹介しようと思います。
まず、供給サイドを見てみましょう。
一次的供給源とされる鉱山生産は、金価格上昇を背景に、前年同期比7%増の708.8トンを記録。上半期合計では1355.5トンとなり5.7%増となりました。鉱山生産は2008年を底に、以後、年々増加傾向にあります。
二次的供給源といわれるリサイクル金は、価格上昇が続くなかで前年同期比3%減の429.3トン、上半期合計では780.2トンとなり4.1%の減。さらなる高値期待が生まれているのだろうと思われます。
つぎに需要サイドを見てみましょう。
各国中央銀行は、ドル一極集中が進んだ1990年代から金準備を売り越す傾向にありました。しかし2009年下半期から買い越しに転換しています。前年同期比492.2%増の69.4トン、上半期合計では192.3トンの買い越しで、283.2%増となりました。上半期に増強したおもな国を挙げると、メキシコ98.8トン、ロシア48.0トン、タイ28.0トン、韓国25.0トンという具合になっています。ドル離れの潮流にあって各国とも外貨準備資産の多様化を進めていますから、中央銀行による金準備増強の流れは今後も続くと見てよいでしょう。
宝飾品は、前年同期比12.3%増の469.5トン。上半期合計では1044.5トンとなり、8.4%増と着実に復調してきています。宝飾品は、アジア中東では資産の色彩が強いこともあり、その需要の半分は投資需要と見てよいものです。国別の状況を見ると、宝飾需要469.5トンのうち、インド139.8トン、中国111.5トン、両国だけで251.3トンとなり、53.5%を占めています。その他の国で目立つのは、中東湾岸諸国50.3トン、米国21.7トン、トルコ17.4トン、ロシア16.9トンといったあたりでしょうか。
テクノロジーは、前年同期比2%増の117.9トン。上半期合計では231.5トンとなり0.6%増で、ほぼ横ばい。
金地金・金貨は、前年同期比8.9%増の307.7トン。上半期合計では673.5トンとなり、28.1%伸びています。国別状況を見ると、307.7トンのうち、インド108.5トン、中国53トン、両国で161.5トンとなり、現物需要の半分以上(52.5%)を占めています。その他では、米国22.8トン、ドイツ22.6トン、スイス20.7トン、タイ14.5トン、ベトナム14.0トン、トルコ13.6トンとなっています。気になるのは、金地金・金貨は世界的に買われる傾向にあるなか、唯一、日本だけが7.9トンの売り越しに。日本はそれほど安泰でもないと思うのですが。
金ETFは、前年同期比82.2%減の51.7トン。上半期合計ではマイナス10.4トンとなり、前年同期296.3トンと比べると大きく減少しています。
総じて、金価格の水準が、前年同期1196.9ドルから本年第2四半期1506.1ドルへ300ドル上昇するなかで、需要全体は堅調に推移していることが分かります。
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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。








