2011年版の世界金需給を読む(1) - 29 April 2011
初心者にも分りやすい金のブログとして、ワールドゴールドカウンシル日韓地域代表豊島逸夫氏にも推薦されている、「はじめての金読本」において、GFMS社が発表した金の最新レポートを基に、金の需給の解説がされています。

昨年あたりから、貴金属の分野で、シルバーと白金族のパラジウムに注目が集まって来ているようです。どのような点にスポットが当たっているのか、ちかいうちにまとめて紹介しようかと思っています。
さて、先週も少しだけ紹介しましたが、GFMS*1から、2011年版の世界需給統計が発表されましたので、ここでざっとポイントを紹介して置こうと思います。
まず供給サイドから見てみましょう。
新産金は、2006年2482トン、2007年2467トン、2008年2408トン、2009年2589トン、そして昨年2010年が2689トン。長期価格上昇を背景に、休眠鉱山の再開や新規投資の効果が出て来ています。2007年を底に増加傾向に転じています。
公的売却(中央銀行の金売却)は、2006年365トン、2007年484トン、2008年235トン、2009年34トン、2010年はマイナス→需要項目へ移動という流れ。過去20年ほど続いた公的売却は、ついに公的購入へ。これは歴史的な転換といっても過言ではないでしょう。
リサイクル供給(宝飾品などの売り戻し)は、2006年1133トン、2007年982トン、2008年1316トン、2009年1695トン、2010年1645トンへ。価格上昇を背景に増加してきましたが、ここで頭打ちに。さらなる高値期待が背景にあるのでしょう。
つぎに需要サイドを見てみましょう。
宝飾品は、2006年2300トン、2007年2423トン、2008年2304トン、2009年1814トン、2010年2017トン。リーマンショック直後の2009年は激減しましたが、中国、インドなどの需要回復で立ち直りつつあります。
電子材料等は、2006年657トン、2007年679トン、2008年718トン、2009年697トン、2010年762トン。リーマンショック直後の2009年は減少しましたが、電子材料需要を中心として一気に回復しました。
公的購入(中央銀行の金購入)の項目には、2010年にネットで73トンの数字が入りました。ロシア、中国、インド、サウジアラビアなど、大量購入する国が出て来たためで、その背景はドル離れ。中央銀行が供給サイドから需要サイドに回ったことは重要で、買い方に安心感を与える材料になりつつあります。
金地金投資は、2006年237トン、2007年244トン、2008年645トン、2009年531トン、2010年880トン。昨年880トンのうちの半分は、インドと中国の民間需要です。背景に見える要因は、金選好度の高い国民性、両国の生活水準の向上、インフレ懸念の三つでしょう。
鉱山会社のヘッジ外し(先売りした金の買戻し)は、2006年434トン、2007年440トン、2008年350トン、2009年236トン、2010年103トンとなっています。このヘッジ外しは、過去10年にわたって、金価格の下支え要因でしたが、ほぼ終了しました。
欧米の投資(存在したと想定される投資・調整値)は、2006年353トン、2007年155トン、2008年ー、2009年1040トン、2010年499トンとなっています。この項目は、データがまとめられる段階では不明ですが、存在したと考えられる投資需要の推移です。早い話が「調整値」ですが、高い水準で推移しています。
→pdf拡大版はこちら2011世界金需給.pdf ![]()
以上、過去5年間の世界金需給の推移を見ると、旺盛な投資需要が市場を牽引していることが分かります。来週は、国別データなどを紹介しましょう。
*1:世界で最も権威ある英国の貴金属調査会社ゴールドフィールズミネラスサービス社
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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。









