5%ルールについて(前編) - 22 December 2011

初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」において、来年から導入される金への税制改正時に適応される5%ルールについて前編、後編と2部にわたり、解説されています。

欧州から伝わって来るニュースに市場は一喜一憂。ECBが政策金利を下げたと聞けば市場は喜び、ドラギ総裁が国債購入拡大を否定すれば市場は憂う。

市場とは近視眼的なものと達観したいところですが、欧州債務問題がこじれた場合のショックはリーマン以上と予想されているだけに他人事とも言い切れません。

さて、以前、この金読本で、いよいよ来年から動き出す「課税強化の流れ」について紹介したことがあります。そのなかで「5%ルール」について軽く言及しましたが、その際にはとくに質問を頂くことはありませんでした。

ところが先日、日経新聞に同様の内容が紹介された際には、日本金地金流通協会宛に問い合わせが殺到したそうです。ま、読者数に圧倒的な違いがありますから当然でしょうが、この際ですから、ここで、その「5%ルール」について、もう一度しっかりとお話しておこうと思うに至りました。

本論に移る前に、ここでいう「5%ルール」とは、株式大量保有に関する5%ルールのことではありません。金地金や金貨の譲渡所得の税金に関する5%のことです。前置きはこれくらいにして、では、始めましょうか。

金地金・金貨といった現物資産を売却して利益が出た場合、原則として総合課税対象の譲渡所得として扱われます。純金積立の残高を売却した場合でもおなじ扱いになります。これは、プラチナ地金・プラチナ貨も同様の扱いです。

以前ツイッターで「プロの場合は雑所得として扱われます」と呟いてきた人がいましたが、それは誤解です。だいたいプロの場合は先物市場で売買していることが多く、その場合の売却益については雑所得として扱われます。

しかし現物の売買に関してはプロであろうとアマであろうと、売却益が出た場合には譲渡所得として扱われ、給与など他の所得と合算して総合課税の対象となります。

さて、読者が保有金を売りに行ったとしましょう。この場合、いつ、どこで、いくらで購入したかが明確、つまり取得価格が証明できれば何も問題ありません。売却日当日の買取価格をベースに売却金額が割り出され、その結果、売却損益もはっきりと確定しますから、譲渡所得が発生した場合には確定申告すればOKです。

計算方法についてはこちらをご覧ください。

ところが、もしも読者が、いつ、いくらで購入したか証明できない場合は、どうなるか、です。購入時期が古く取得価格を証明できないという場合には、売却損益額が計算できないことになります。そこで出て来るのが、問題の「5%ルール」というもの。国税庁の通達を分かりやすく言えば、こういうことです。

 

市場価格の5%で取得したものみなすことができる。あるいは、市場価格の5%で取得したものみなされうる。このルールが寝耳に水だった人には、さあ、大変。なんと「取得価格」を「買取価格」と読み間違え、いきり立って問い合わせて来る人もいたそうですから。笑い話のようですが、これはれっきとした事実です。

さて、今回はここまで、この稿は次回に続きます。

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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。