Bloombergの相場予想 - 18 January 2012

スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」でブルームバーグ社がまとめた相場予想を解説しています。

先週はLBMAの相場予想を紹介しましたが、今週は情報提供会社Bloomberg社がまとめた相場予想-長期のもの-を紹介しましょう。この調査は 100社に渡る金融機関や商品取引業者のアンケートをまとめたものです。市場参加者の意見に近いものと考えていいでしょう。もちろん当然のことながら、こ れがかなりの確率で当たるとは言えませんが、現在市場参加者の見方を総計したものだと思うとそれなりに市場のセンチメントを理解できると思います。

「ゴールド」

先日のLBMAの予想が2012年は1766ドルでした。Bloomberg100人は1823ドル。第四四半期には1900ドルに到達を予想しています。そして2013年には1931ドルとさらに上昇。しかしその後はおそらく米景気の回復によるゴールドからの資金流出、株価の上昇を見込み。それを背景として、ゴールドは下降基調に。2014年は1600ドル、2015年はさらに下がって1350ドルという予想値になっています。マーケットの大勢の見方は高値はやはり今年2012年そして来年2013年に付けるとみています。FRBのバーナンキ議長が低金利の維持を最低でも2013年半ばまでとしている ことが、この見方を支えています。

「シルバー」

シルバーも基本的にゴールドと同じ見方。2012-2013年にピークを迎えると予想されています。LBMAの予想は2012年の平均が33.98ドルですから35ドルを予想するBloombergとほぼ同じとみていいですね。

「プラチナ」

プラチナはLBMAの予想とBloombergの予想とはずいぶんと差があります。LBMAは1624ドルという2012年年間平均の予想ですが、 Bloombergは1800ドルとなっています。LBMAは貴金属を専門に取引している、いわば専門家の中の専門家の集団であり、それだけ冷静であるのかもしれません。Bloombergはどちらかといえば広く金融の関係者の人間が多いようです。いずれにしてもプラチナも強気、少なくとも2014年まで強い相場を予想している向きばかりのようです。1400ドルというプラチナの生産コストもあり、相場がこれ以上下がらないと見る人間が多いですね。

「パラジウム」

パラジウムは他の三品と違い2014年以降も上昇基調が続くと見ているようです。受容的にはガソリン自動車の需要の伸び。現在、主に自動車が売れているのは中国、インド、ブラジルといった新興国諸国であり、それらの国では自動車は圧倒的にガソリン車です。そしてガソリン車に使われる排ガス触媒の95%は パラジウムが占めています。そしてロシアの国家備蓄の枯渇という供給面での不安もこの見方の後押ししていると言えるでしょう。専門家の中にはパラジウムは プラチナの価格に近づいていくと見ている人間もいます。

こうやってみるとLBMAもBloombergも揃って強気。圧倒的多数の人間が貴金属は今年そして来年まで上昇すると考えているということになります。そしてもし相場が多数決で決まるとするならば、必ず上昇するはずです。しかし、そうはならないところが相場の難しいところですね。ただやはりこれだけの人が上を向いている以上、なかなか下がりづらいのも確か。絶対ではないですが、よい参考程度にとっておくのがいいのでしょう。所詮予想は予想であり、決してそれ以上のものにはなりませんからね。

以上

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池水雄一, 18 Jan '12

貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。