Gold ETFの現状 - 1 September 2011

ETFが始まって7年がたちました。基本的にずっと右肩上がりで増え続けていましたが、ここ半年くらいは、短期的な資金の出入りも激しくなってきています。以前は基本的に年金のような長期的資金の大部分とみられていましたが、最近はずいぶんと資金の出入り、つまり短期的売買も増えてきています。
ゴールドが歴史的高値圏にあるのにもかかわらずComexの建て玉がそれほど増えていない、逆に価格が上がっているのに、投資家のロングが減少しているというちょっと不思議な現象さえみられます。(表2)

現在、投資家がゴールドに投資する主な方法は、大雑把に言って、ロコ・ロンドンを買う、先物(Comex、東工取など)を買う、現物を買う、そして ETFを買う。価格が上がっているのにComexの投資家ロングが増えていないということは、それ以外のところに買いが入っているとしか考えようがありません。先物市場とETF以外のマーケットはすべて基本的に相対(OTC)取引なので、詳しい数量は表には出てきませんが、おそらくこれらのマーケットで相 当量の買いが入っているのだろうと思います。
さて、肝心のETFですが、過去4年くらいの間に少し構造的変化がありました。下の表はGold ETF(SPDR)を買っているトップ7位までのヘッジファンド(HFs)の持ち高の総計と、同じくヘッジファンド以外のトップ7位までの持ち高です。ヘッジファンド以外とは具体的には欧米の金融機関が多いです。その中身の大部分はおそらく個人投資家であろうと思われます。2008年から2010年半ばまではヘッジファンドが圧倒的に多かったのですが、2010年半ばからそれが逆転。個人投資家のロングがヘッジファンドを上回る状態になっています。明らかにヘッジファンドの売り、個人の買いという状況がここ数年続いています。そんな中でも先日PaulsonファンドがETFをまったく売っていなかったことが判明し、マーケットの話題になりましたが、そんなPaulson Fundもその保有量は、約98トンとETFのロング数量全体の7.57%に過ぎません。(全体量1244トン)決して絶対的なステークホールダーとはもはや言えないでしょう。ここで興味深いのはPaulson Fundが2008年の第四四半期にGold ETFを買い始め、個人がこれに追随したのはほぼ半年遅れでした。2009年第三四半期から積極的に買い始めて2010年年末までに四半期に20%の割合で個人のロングが増加しました。他のヘッジファンドがETFを利食い、それを個人が買っているという構図、実際このチャートを見るとファンドの売り1に対 して個人の買いが2という感じですね。つまり現在は多くのまさに小さな個人がGold ETFの大きな部分を占めており、この状態を民主的、democratic という言葉を使って表現する人もいます。ゴールド投資の裾野は確実に広がっていると言えます。



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貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。









