The LBMA Chinese Bullion Market Forum 2011 - 1 June 2011

スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、先週上海で行われたLBMAの会議で得られた情報を元に、昨今の中国市場を「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で解説しています。

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先々週のロンドンのPt weekに引き続き、先週は上海に行ってきました。LBMAが2004年の上海でのLBMA コンファレンス以来はじめて中国で催したイベントがあったからです。私もここ数年実際に中国に足を運ぶことがほとんどなかったので、今回はいい機会、特に この一年間の強烈な中国のゴールドの買いを目の当たりにして、ぜひ実際どうなっているのか肌で感じたく、二週連続のきついスケジュールながら出かけた次第 です。今週は簡単にこの会議の様子をレポートします。

前回いつ上海に行ったのか思い出せないほど(半分は僕の記憶喪失的な記憶力の弱さが原因ですが)で、思わずパスポートを見直して見ました。すると前回上海に行ったのは2008年3月で3年以上も前でした。ずいぶん行ってなかったんだと改めて感じました。

さて、今回のこのフォーラム、5/26日浦東にあるThe Shangri-la Hotelで行われました。2004年のLBMA コンファレンスも同じホテルでした。参加者リストをチェックすると参加人数は191人。そのうち中国人が93人。日本人は9人でした。日本からの参加者は ほぼ全員が前週のロンドンにも来ていました。みなさん、ご苦労様です。(笑)

このフォーラムではやはり注目すべきは中国のゴールドマーケットがいったいどういうことになっているのか、ということが最大の焦点でした。中国とは余り 関係ないロンドンがいかにゴールドマーケットの中心なのか、といったLBMAならでは話もありましたが、そういうのは割愛。以下今回聞いた話で興味深いと 思ったことを箇条書きにします。

・中国のゴールドマーケットは過去10年急激に変化してきている。特に注目すべきはその需要の伸び。2010年の宝飾と投資用需要は640トンとこの10年間でほぼ3倍に増加している。

・2010年中国のゴールド鉱山生産は350トンで世界一であるが、それでは国内の需要をまかないきれず、需給のギャップは大きくなる一方であり、その分 は輸入に頼っている。その結果、世界一のゴールド生産国でありながら、インドに次いで第二位のゴールド輸入国になっている。中国のゴールド生産者は比較的 多くの規模の小さい業者が多く、生産効率は簡単に伸ばせそうにない。また確認された地中のゴールドリザーブはまだ少なく、鉱山探索には大規模投資が必要で あり、ゴールドの鉱山生産が需要の伸びに追いつくことは考えづらい。世界における中国のゴールド需要は2001年の6%から2010年は19%に伸びたの に対して、鉱山生産は2001年の7%から13%に伸びたに過ぎない。それでも2006年くらいまでは国内生産と国内需要がほぼバランスしていたが、その 後は需要の伸びが著しく、加速度的に需給のギャップは広がる一方になっている。

・ゴールドマーケットの自由化は確実にすすみつつある。ゴールドの輸入はこれまで四大銀行(工商銀行、中国銀行、建設銀行、農業銀行)だけだったのが、い わゆる2nd tierと呼んでいい銀行群にも許されるようになった。中国民生銀行、上海銀行、興業銀行、深セン発展銀行そして交通銀行の全部で9行がゴールドを輸入す ることが許されている。

・上海黄金交易所(Shanghai Gold Exchange : SGE)では2010年は6051.50トンのゴールド、73614.96トンのシルバー、54.6トンのプラチナが取引された。2011年の1-4月は 1909トンのゴールド、73568.97トンのシルバー、20.88トンのプラチナがすでに取引されている。特にシルバーは年初四ヶ月で、昨年一年分の 取引量を取引している。

・SGEのメンバーとして認められている外資系企業は、HSBC / Societe Generale/ Scotia Mocatta/ ANZ / Credit Suisseであり、あらたにBarclaysとUOBが認められた。

・シルバーは2006年には5000トンもの輸出があったが、2010年は1000トンに激減。その要因として経済発展にともなう中国国内での産業需要が 増加したこと、投資需要も盛り上がっていることに加えて、輸出の際の増値税の還付制度が廃止され、輸出自体に魅力がなくなったことも大きい。

「四方山話」

今回はほぼ毎日、昼夜とも上海料理を食べました。上海料理の特色は醤油と砂糖と使うことが多いこと、そして川のエビや魚を使うことなどがあげられます。 下の写真はいわゆるトンポーロー、豚の角煮です。これは最高でした。あと僕が個人的に好きなのは豆腐料理。押し豆腐を細く麺状にしたものが、なかなか美 味。上海料理は豆腐や湯葉をいろいろ活用する料理です。この角煮の中にも湯葉を結んだものが入っています。

ということで毎日いろいろ本場の上海料理を食べました。獅子頭(スープに入った大きな肉団子や小籠包、残念ながら蟹の季節ではないので蟹の身と蟹味噌が 入った蟹粉小籠包は食べられませんでしたが。ちょっと前までは中華の最高峰は香港だと思っていましたが、最近は経済発展に伴い、上海は香港に全く見劣りし ないくらいに同じような高級店が進出してきています。美味きもの、お金のあるところに流れる、ですね。

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池水雄一, 01 Jun '11
池水雄一さんのユーザアバター

貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。