Silver ETFの現状 - 8 September 2011

スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、先週のGold ETFの現状に続き、銀ETFについて解説をしています。

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先週のGold ETFに続いて今週はSilver ETFを取り上げてみます。

表1:Silver ETF(全ETF合計)の残高推移

SilverのETF(最大のものはiShares Trust)の投資家構成はSPDR(Gold ETF)と大きく違っています。まず大口ヘッジファンドの占める割合がとても低いこと。iShares は現在1万トン近くの残高がありますが、大口ファンドのトップ5が占める割合はそのうちのほんの3%、317トンに過ぎません。SPDR Gold ETFの場合、Paulson Fundは一社で全体の7.5%を占めています。

そしてファンド以外のTop5の占めるのが808トンあり、ヘッジファンドの約2.5倍あります。ゴールドの場合はこの比率はわずか1.3倍でした。シ ルバーはゴールドよりもはるかにDemocratic「民主的」であるといえます。価格自体が安くてより個人が投資しやすい環境にあるというのがその最大の理由でしょう。

先週書いたゴールドと同じようにヘッジファンドが買い始めてから個人投資家が買うまでにやはり半年のタイムラグがあります。2009年年初からヘッジ ファンドが積極的に買い始めました。(Paulson Fundがゴールドを買い始めたときと同時です)そして個人投資家が追随買いを始めたのは、ほとんど2009年も終わりに近づいたときでした。2009年 第一四半期でファンドのロング残高は最高を記録し、それ以降は少しづつ減らしていきました。そしてそれを買っていったのが個人投資家であり、ファンドの売り以上に買い、そのロングは2009年1年で2倍近くにふくらみました。ゴールドの場合はファンドの売り1に対して個人の買い2という構図でしたが、シルバーの場合はファンドの売り1に対して個人の買い6という圧倒的に個人投資家が力を振るうマーケットになっています。シルバー価格の動きの鍵はやはり個人投資家が握っていると言えます。

一方、実需の最近の動きはどうかと言えばパっとしません。40ドルを越えたレベルでは、実需の動きは乏しく、また世界的に景気後退の懸念がいっそうにその動きをスローにしています。そのためゴールドの場合のように下値を支えたり、上値を抑えたりするだけの力が実需にはありません。そのために、個人投資家の動きによって大きな相場の動きになる傾向が強いです。2011年5月2日に48ドルから32ドルまで急落したような動きはまさにロングしていた個人が、 CMEの証拠金上げにより一斉に売りを出したために起こったような出来事です。このような状況になると、まさに相場が一方向に動きそれに反する動きがなか なか出てこない相場になってしまいます。このときはComexのポジションもETFのポジションも、ロングが大幅に減少したことが各チャートを見るとよく わかります。シルバーのボラティリティは時としてはるかにゴールドをしのぐものになり、そのリスクに対する耐性が必要です。

表2:ComexのSilverロング残高と価格の動き
表3:ETF大口ヘッジファンドとその他のロング比較
表4:ファンド以外の大口ポジション
表5:大口ファンドのポジション

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池水雄一, 08 Sep '11
池水雄一さんのユーザアバター

貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。