Standard Bank 四半期レポート(2) - 2 February 2011
先週に引き続き、スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、「ゴールドディーリングのすべて2」で、スタンダードバンクのレポートを基に金と銀市場の見通しを解説しています。
今週・来週は各メタルの見通しを見ていきます。今週は金と銀。
2011年の平均価格の見通しは1430ドル。年間を通しての上昇基調は変わらないとみる。高値は1550ドル近辺を予想し、1340ドル以下のレベルでは投資家の値ごろ買いがみられるであろう。 相場を動かしている長期的なファンダメンタル要因は「資金流動性と長期実質金利」である。そしてこの両方がゴールド価格のさらなる上昇を支持している。 世界の資金流動性はまさに過剰状態にあり、実質金利は低いままである。その結果ゴールドに対する投資需要はなくならないであろう。見た目にも統計的にもゴールドの価格と資金流動性の関係は確認されている。 世界の資金流動性とコモディティの関係をみるとゴールドがその主な受益者であることがよくわかる。資金流動性は今後も増えていくと思われる。これは Fedの金融緩和のみならず、新興国が外貨準備を増加させていくこともその一因である。世界の資金流動性の増加のスピードは2011年に10%、2012 年に8%スローダウンするだけだと考える。 Fedは2011年には金利は変更させず、その後ゆっくりと上げていくと考える。インフレリンク債10年物の利回りは1%近辺であり、これは実質金利が この先10年は1%前後で推移すると市場は見ているということである。現在の金利は1997年よりも低く、当時のインフレリンク債の利回りによって推測さ れた実質金利が4%であった。1%という現在は明らかに金投資にとってより有利な状況にある。


価格の上昇にもかかわらず、中国の銀需要は強い。2010年後半には上海では1ドル以上のプレミアムで現物が取り引きされていた。この国内需要の強さのために銀の輸出量は大きく減っている。 インドからの需要も強い。2011年第1四半期にはより多くの銀がこの国に流れ込むであろう。しかしながら、価格的観点からは金のみならず、パラジウム や銅といった大きな工業用需要を持つメタルと比べてもやや過大評価、つまり買われすぎていると考える。銅やパラジウムは銀よりもはるかに引き締まった供給 サイドの状況が存在している。 金銀比価は1980年初頭からサポートされている大底に近いレベルである。現在30ドル近い価格にあり、銀が上がる可能性は金に連れて上がるという以外は難しいと思われる。 とはいえ銀のショートをすすめるわけではない。実質金利が低く、世界の資金流動性はさらなる増加が期待されるからだ。ただドルが少しでも強含むことがあれば、銀に大きな調整が入ってもおかしくないと考える。


銀は昨年後半非常に大きく動いた。2011年もおそらく同じように激しく動くことが考えられる。2008年の平均価格は14.97ドル、13ドルものレ ンジを動いた。(8.50ドルから21.50ドルまで)。2009年は平均価格は14.67ドル、で9ドルのレンジの動きであった。(10.35ドルから 19.46ドルまで。)2010年には平均価格20.20ドル、で16ドルのレンジで動いた。(14.64ドルから30.90ドルまで)。 我々はシルバーのロングは見送り。26ドルのサポートまでの調整を予想する。 以上
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貴金属ディーリングの世界でも第一人者である池水氏は、上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。









